ECの効果測定と改善は、オンラインショップの売上を安定して伸ばすために欠かせない作業です。
オンラインショップでは、アクセス数、商品ページ閲覧数、カート投入率、購入率、リピート率、広告費、返品率など、さまざまな数字を確認できます。
しかし、数字をただ眺めるだけでは意味がありません。
重要なのは、数字から課題を見つけ、具体的な改善行動につなげることです。
たとえば、アクセス数は多いのに購入されない場合、商品ページ、価格、送料、購入ボタン、レビュー、返品条件に問題があるかもしれません。反対に、購入率は高いのにアクセス数が少ない場合は、SEOやSNS、広告などの集客施策を見直す必要があります。
この記事では、ECの効果測定で見るべき指標、KPIの考え方、GA4やSearch Consoleの活用、商品ページ改善、カート改善、2週間ごとの改善サイクルを初心者向けに解説します。
商品ページの作り方から見直したい方は、商品ページ作成の方法|オンラインショップで売れるページを作る実践ガイドも参考にしてください。

ECの効果測定とは
ECの効果測定とは、オンラインショップの運営状況を数字で確認し、改善点を見つけることです。
オンラインショップでは、次のような数字を確認できます。
・アクセス数
・商品ページ閲覧数
・カート投入数
・購入数
・購入率
・平均注文額
・広告費
・リピート率
・返品率
・問い合わせ数
・レビュー投稿数
・メール開封率
・検索表示回数
・クリック率
これらの数字を見ることで、ショップのどこに問題があるのかを判断しやすくなります。
たとえば、アクセス数が少ないなら集客不足です。商品ページは見られているのにカートに入らないなら、商品ページの訴求や価格に問題がある可能性があります。カートに入るのに購入されないなら、送料、決済方法、配送日数、入力フォームに問題があるかもしれません。
効果測定の目的は、数字を集めることではありません。
売上を伸ばすために、どこを改善すべきかを見つけることです。
効果測定改善で最初に決めるべきこと
効果測定を始める前に、まず目的を決めましょう。
目的が曖昧なまま数字を見ると、何を改善すべきか分からなくなります。
たとえば、以下のように目的を分けます。
・アクセス数を増やしたい
・商品ページの購入率を上げたい
・カート離脱を減らしたい
・広告費を抑えたい
・リピーターを増やしたい
・平均注文額を上げたい
・返品を減らしたい
・問い合わせを減らしたい
目的が変われば、見るべき数字も変わります。
たとえば、アクセス数を増やしたいなら、Search Consoleの表示回数やクリック率を見ます。購入率を上げたいなら、商品ページ閲覧数、カート投入率、購入率を見ます。リピーターを増やしたいなら、再購入率やLTVを見ます。
まずは「今、何を改善したいのか」を1つに絞ることが重要です。
KGIとKPIを決める
ECの効果測定では、KGIとKPIを決めると改善しやすくなります。
KGIとは、最終的に達成したい目標です。
KPIとは、その目標に近づいているかを確認するための途中指標です。
たとえば、以下のように考えます。
| 目的 | KGI | KPI |
|---|---|---|
| 売上を増やす | 月商30万円 | アクセス数、CVR、平均注文額 |
| 購入率を上げる | CVR3% | 商品ページ閲覧数、カート投入率 |
| リピーターを増やす | リピート率20% | 再購入数、レビュー数、メールクリック率 |
| 広告を改善する | ROAS300% | CTR、CPA、購入率 |
| 返品を減らす | 返品率3%以下 | サイズ表閲覧率、問い合わせ内容 |
KPIを決めるときは、実際に改善行動につながる数字を選びましょう。
たとえば、「売上」だけを見ても、何を改善すべきか分かりません。売上は、アクセス数、購入率、平均注文額の掛け合わせで決まります。
売上を伸ばすには、以下のどこを改善するかを分けて考える必要があります。
・アクセス数を増やす
・購入率を上げる
・平均注文額を上げる
・リピート率を上げる
このように分解すると、具体的な改善策を考えやすくなります。
ECで見るべき主要KPI
EC運営で見るべき代表的なKPIを整理します。
1. アクセス数
アクセス数は、ショップや記事にどれだけユーザーが訪問したかを示す数字です。
アクセス数が少ない場合は、SEO、SNS、広告、内部リンク、記事数、検索表示回数を見直す必要があります。
集客を増やしたい方は、オンラインショップの集客方法|SNS広告で売上を伸ばす実践ガイドも参考になります。
2. 商品ページ閲覧数
商品ページ閲覧数は、商品ページがどれだけ見られているかを示します。
アクセスはあるのに商品ページ閲覧数が少ない場合、トップページや記事から商品ページへの導線が弱い可能性があります。
内部リンク、バナー、関連記事、カテゴリ導線を見直しましょう。
3. カート投入率
カート投入率は、商品ページを見た人のうち、どれだけの人が商品をカートに入れたかを示す指標です。
カート投入率が低い場合は、以下に問題がある可能性があります。
・商品写真が弱い
・価格が高く見える
・送料が分かりにくい
・商品説明が不足している
・レビューがない
・購入ボタンが見つけにくい
・発送日が不明
・返品条件が分かりにくい
商品ページの改善については、商品ページ作成の方法|オンラインショップで売れるページを作る実践ガイドも確認してください。
4. CVR
CVRとは、コンバージョン率のことです。
ECでは、訪問者のうち何%が購入したかを示します。
計算式は以下です。
CVR = 購入数 ÷ セッション数 × 100
たとえば、1,000セッションで20件購入された場合、CVRは2%です。
CVRが低い場合は、商品ページ、価格、送料、決済方法、配送日数、カート導線を見直しましょう。
5. AOV
AOVとは、平均注文額のことです。
計算式は以下です。
AOV = 売上 ÷ 注文数
たとえば、売上が100,000円で注文数が50件なら、AOVは2,000円です。
AOVを上げる方法には、以下があります。
・セット販売
・関連商品の提案
・送料無料ラインの設定
・まとめ買い割引
・上位商品の提案
・ギフト対応
ただし、無理に単価を上げると購入率が下がる場合があります。CVRとのバランスを見ながら改善しましょう。
6. CPA
CPAとは、1件の注文を獲得するためにかかった広告費です。
計算式は以下です。
CPA = 広告費 ÷ 注文数
たとえば、広告費10,000円で5件購入された場合、CPAは2,000円です。
1件あたりの利益が1,500円しかない商品でCPAが2,000円なら赤字です。
広告は売上ではなく、利益で判断しましょう。
7. ROAS
ROASとは、広告費に対してどれだけ売上が出たかを示す指標です。
計算式は以下です。
ROAS = 売上 ÷ 広告費 × 100
広告費10,000円で売上30,000円なら、ROASは300%です。
ただし、ROASが高くても利益が残っているとは限りません。
商品原価、送料、手数料、返品対応費も含めて確認しましょう。
8. リピート購入率
リピート購入率は、一度購入した顧客が再購入した割合です。
リピート率が低い場合は、購入後フォロー、商品満足度、レビュー依頼、再購入導線、メール配信を見直す必要があります。
リピーター施策については、顧客対応でリピーターを増やす方法|オンラインショップの再購入率を高める実践ガイドも参考になります。
9. 返品率
返品率は、出荷した商品のうち返品された割合です。
返品率が高い場合は、商品ページの情報が不足している可能性があります。
特に、サイズ、色味、素材、使用シーン、注意点、返品条件を見直しましょう。
効果測定に使う主なツール
ECの効果測定では、複数のツールを組み合わせると改善しやすくなります。
1. Google Search Console
Google Search Consoleでは、検索からの表示回数、クリック数、CTR、平均掲載順位を確認できます。
主にSEO改善に使います。
見るべき項目は以下です。
・検索表示回数
・クリック数
・CTR
・平均掲載順位
・検索クエリ
・表示されているページ
・インデックス状況
たとえば、表示回数は多いのにクリックが少ない場合は、タイトルやメタディスクリプションを改善します。
SEO改善については、ECのSEO対策とは?オンラインショップの検索流入を増やす実践ガイドも参考になります。
2. GA4
GA4では、サイト内のユーザー行動を確認できます。
見るべき項目は以下です。
・流入元
・ページ閲覧数
・イベント数
・購入数
・カート追加
・購入経路
・ユーザー属性
・リピート状況
ECサイトでは、最低限以下のイベントを確認できるようにしておきましょう。
・商品ページ閲覧
・カート追加
・購入開始
・購入完了
・検索
・クリック
・スクロール
GA4の設定が不十分だと、どこで離脱しているのか分かりません。
3. ヒートマップ
ヒートマップツールでは、ユーザーがページのどこを見ているか、どこをクリックしているか、どこで離脱しているかを確認できます。
商品ページ改善に役立ちます。
見るべきポイントは以下です。
・ファーストビューで離脱していないか
・購入ボタンが見られているか
・レビューまで読まれているか
・FAQがクリックされているか
・重要な情報までスクロールされているか
ヒートマップを見ると、文章だけでは分からないユーザー行動が見えてきます。
4. メール配信ツール
メール配信ツールでは、開封率、クリック率、購入率を確認できます。
購入後フォローやリピーター施策に役立ちます。
見るべき指標は以下です。
・開封率
・クリック率
・配信停止率
・購入数
・レビュー投稿数
・再購入数
メールは送るだけでなく、どの内容が反応されたかを確認しましょう。
UTMルールを統一する
広告やSNSからの流入を正しく測定するには、UTMパラメータを使うと便利です。
UTMを設定すると、どの投稿や広告からアクセスが来たのかを分析しやすくなります。
たとえば、Instagram広告、TikTok投稿、メール配信などを分けて確認できます。
UTMで管理したい項目は以下です。
・参照元
・メディア
・キャンペーン名
・広告内容
・キーワード
ただし、命名ルールがバラバラだと分析しにくくなります。
たとえば、Instagramを以下のように複数表記すると、データが分散します。
・instagram
・Instagram
・insta
・ig
最初にルールを決め、同じ表記で統一しましょう。
商品ページ改善で見るべきポイント
商品ページの改善では、数字とページ内容をセットで確認します。
見るべき数字は以下です。
・商品ページ閲覧数
・滞在時間
・スクロール率
・カート投入率
・購入率
・FAQクリック率
・レビュー閲覧率
・問い合わせ数
・返品率
改善すべきポイントは以下です。
・商品写真
・キャッチコピー
・商品説明
・価格表示
・送料表示
・発送日
・レビュー
・FAQ
・購入ボタン
・返品条件
・関連商品リンク
たとえば、スクロール率が低い場合は、冒頭部分で魅力が伝わっていない可能性があります。
FAQがよくクリックされている場合は、その内容を商品説明の上部にも追加するとよいです。
問い合わせが多い内容は、商品ページに追記しましょう。
カートから決済までの改善
カートから決済までの改善も重要です。
商品をカートに入れたのに購入されない場合、カートや決済画面に問題がある可能性があります。
よくある離脱原因は以下です。
・送料が高い
・送料が最後まで分からない
・会員登録が必須
・決済方法が少ない
・入力項目が多い
・エラー表示が分かりにくい
・配送日数が不明
・返品条件が分からない
・スマホで操作しにくい
改善策は以下です。
・送料を早めに表示する
・ゲスト購入を用意する
・スマホ決済に対応する
・入力項目を減らす
・郵便番号から住所を自動入力する
・エラー内容を分かりやすく表示する
・配送日数を明記する
・返品条件を近くに表示する
カート離脱を減らすだけでも、売上が改善することがあります。
流入チャネルごとの効果測定
オンラインショップでは、どの集客経路が成果につながっているかを確認しましょう。
主な流入チャネルは以下です。
・Google検索
・SNS投稿
・SNS広告
・検索広告
・メール
・LINE
・外部サイト
・直接流入
見るべき指標は以下です。
・アクセス数
・購入率
・平均注文額
・広告費
・CPA
・ROAS
・リピート率
たとえば、SNS広告はアクセスが多くても購入率が低い場合があります。Google検索はアクセス数が少なくても購入率が高い場合があります。
流入元ごとに数字を見ることで、どこに力を入れるべきか判断できます。
2週間で回す改善サイクル
ECの効果測定改善は、短いサイクルで回すと進めやすくなります。
おすすめは2週間単位です。
1週目:データ確認と仮説作り
やることは以下です。
・Search Consoleを見る
・GA4を見る
・売上と購入率を見る
・商品ページ閲覧数を見る
・カート投入率を見る
・問い合わせ内容を見る
・改善すべきページを1つ決める
この段階では、改善対象を絞ることが重要です。
一度に多くのページを直そうとすると、効果が分かりにくくなります。
2週目:改善と確認
やることは以下です。
・商品写真を追加する
・説明文を改善する
・FAQを追加する
・送料や発送日を目立たせる
・購入ボタンを調整する
・内部リンクを追加する
・スマホ表示を確認する
・改善後の数字を見る
改善は、1回で終わりではありません。
数字を見ながら、次の改善につなげていきます。
A/Bテストの基本
A/Bテストとは、2つのパターンを比較して、どちらが成果につながるか確認する方法です。
たとえば、以下のような比較ができます。
・商品画像Aと商品画像B
・キャッチコピーAとキャッチコピーB
・購入ボタンの文言
・価格表示の位置
・レビュー表示の位置
・送料無料訴求の有無
ただし、初心者は一度に多くの要素を変えすぎないようにしましょう。
画像、コピー、価格、ボタンを同時に変えると、何が原因で数字が変わったのか分からなくなります。
まずは1つの要素だけを変えて比較することが重要です。
レポート運用で注意すべきこと
効果測定では、レポート作成に時間をかけすぎないようにしましょう。
重要なのは、きれいな資料を作ることではなく、改善行動につなげることです。
週次レビューでは、以下の3点だけ確認すれば十分です。
- どの数字が変化したか
- なぜ変化したと考えられるか
- 次に何を改善するか
会議や確認作業が長くなりすぎると、実際の改善に使う時間が減ります。
数字を見たら、必ず次のアクションを決めましょう。
効果測定改善でよくある失敗
1. 指標を見すぎる
数字をたくさん見すぎると、何を改善すべきか分からなくなります。
最初は、以下の5つに絞っても十分です。
・アクセス数
・商品ページ閲覧数
・カート投入率
・購入率
・リピート率
2. 売上だけを見る
売上だけを見ても、改善点は分かりません。
売上は、アクセス数、購入率、平均注文額、リピート率によって変わります。
売上を分解して考えましょう。
3. データを見ても行動しない
数字を見ても改善しなければ意味がありません。
たとえば、カート投入率が低いと分かったなら、商品写真、説明文、価格、送料、購入ボタンを改善する必要があります。
4. 一度に多くを変えすぎる
一度に多くの要素を変えると、何が効いたのか分かりません。
改善は1つずつ行い、効果を確認しましょう。
5. スマホ表示を確認していない
スマホで見づらいページは、購入率が下がります。
特にSNSや広告からの流入はスマホが多いため、必ずスマホ実機で確認しましょう。
スマホでの購買行動については、スマホ普及率とEC市場の成長|オンラインショップが取るべき戦略も参考になります。
90日で効果測定改善を始める手順
ECの効果測定改善は、90日で基本の形を作れます。
Day 0〜30:計測の土台を整える
最初の30日間では、計測できる状態を作ります。
やることは以下です。
・Search Consoleを確認する
・GA4を確認する
・購入完了が計測できているか確認する
・カート追加が計測できているか確認する
・主要KPIを決める
・改善対象ページを決める
・問い合わせ内容を記録する
この段階では、完璧なダッシュボードを作る必要はありません。
まずは、最低限の数字を見られる状態にしましょう。
Day 31〜60:商品ページとカートを改善する
次の30日間では、購入率に関わる部分を改善します。
やることは以下です。
・商品写真を増やす
・商品説明文を改善する
・送料と発送日を目立たせる
・FAQを追加する
・レビューを掲載する
・購入ボタンを見直す
・カート離脱原因を確認する
・スマホ表示を確認する
この段階では、購入前の不安を減らすことが目的です。
Day 61〜90:集客とリピート施策を改善する
最後の30日間では、集客とリピートを改善します。
やることは以下です。
・Search Consoleで表示回数が多いページを確認する
・CTRが低いページのタイトルを改善する
・SNSや広告の成果を確認する
・メール開封率を見る
・レビュー依頼を送る
・再購入導線を作る
・内部リンクを追加する
90日で、集客、購入、リピートまでの基本的な改善サイクルを作りましょう。
初心者が最初に見るべき数字
オンラインショップ初心者は、まず以下の数字を見てください。
- アクセス数
- 商品ページ閲覧数
- カート投入率
- 購入率
- 平均注文額
- リピート率
- 返品率
- 問い合わせ数
- 検索表示回数
- クリック率
最初から難しい分析をする必要はありません。
この10項目を見るだけでも、ショップの弱点は見えてきます。
まとめ
ECの効果測定と改善は、オンラインショップの売上を伸ばすために欠かせない作業です。
ただ数字を見るだけではなく、目的を決め、KGIとKPIを設定し、改善行動につなげることが重要です。
売上が伸びない原因は、アクセス不足、商品ページの弱さ、カート離脱、広告費の使い方、リピート不足など、さまざまです。
そのため、アクセス数、商品ページ閲覧数、カート投入率、購入率、平均注文額、リピート率、返品率などを分けて確認しましょう。
特に初心者は、まず商品ページとカート周りの改善から始めるのがおすすめです。
商品写真、商品説明、送料、発送日、FAQ、レビュー、購入ボタンを整えるだけでも、購入率が改善する可能性があります。
効果測定改善は、一度設定して終わりではありません。
2週間ごとに数字を確認し、仮説を立て、1つずつ改善していくことで、オンラインショップの売上と顧客満足度を高められます。
まずは、Search ConsoleとGA4で現状を確認し、改善するページを1つ決めるところから始めましょう。
商品ページの改善を進めたい方は、商品ページ作成の方法|オンラインショップで売れるページを作る実践ガイドも参考になります。
SEOからの流入を増やしたい方は、ECのSEO対策とは?オンラインショップの検索流入を増やす実践ガイドも確認してください。
リピーター獲得まで改善したい方は、顧客対応でリピーターを増やす方法|オンラインショップの再購入率を高める実践ガイドもあわせて参考にしましょう。