ECユーザビリティとは?購入率を高めるサイト設計と7つの改善手順

ECユーザビリティを改善して商品検索から購入完了まで使いやすくする7つの手順

ECユーザビリティとは、ユーザーがECサイトで商品を探し、比較し、カートへ入れ、購入を完了し、購入後の情報まで迷わず確認できる使いやすさのことです。

見た目がおしゃれなECサイトでも、商品が見つからない、送料が分からない、購入ボタンを見つけにくい、入力フォームでエラーになると、購入前に離脱される可能性があります。

反対に、必要な情報と操作を分かりやすくすれば、新しい広告や大規模なリニューアルを行わなくても、現在のアクセスを購入へつなげやすくなります。

重要なのは、サイト全体を一度に作り直すことではありません。

「商品を探す」「比較する」「購入する」「購入後に確認する」の4段階に分け、数字と顧客の声から問題の大きい場所を優先して改善します。

この記事では、ECユーザビリティの意味、UI・UXとの違い、購入率を下げる原因、商品検索・商品ページ・カートの設計、スマートフォン対応、表示速度、アクセシビリティ、KPI、7つの改善手順まで解説します。

この記事の要点
  • ECユーザビリティは「見た目」ではなく購入目的を達成しやすいかで考える
  • 商品発見・比較検討・購入・購入後の4段階に分けて確認する
  • 送料・配送日・返品条件など購入判断に必要な情報を早く見せる
  • スマートフォンで商品検索から注文完了まで実際に操作する
  • 表示速度だけでなくタップへの反応やレイアウト移動も確認する
  • 色・マウス操作だけに依存せずアクセシビリティも確認する
  • 売上だけでなく検索0件・カート離脱・フォームエラーも見る
  • アクセスと購入への影響が大きい1〜3ページから改善する

ECユーザビリティとは

ECユーザビリティとは、ECサイトを訪れたユーザーが目的の商品や情報へたどり着き、購入まで進みやすい状態を指します。

使いやすいECサイトでは、ユーザーが次のような行動を迷わず行えます。

  • どのような商品を販売しているショップか理解できる
  • 欲しい商品を探せる
  • 商品同士を比較できる
  • 価格・送料・配送予定を確認できる
  • サイズや仕様を確認できる
  • 購入ボタンを見つけられる
  • カートの数量や商品を変更できる
  • 入力フォームを完了できる
  • 注文が完了したことを確認できる
  • 配送・返品・問い合わせ方法を確認できる
デザインがきれい=使いやすい、ではない

購入ボタンのデザインが目立っていても、送料や配送日が分からず購入を中断されるなら、ECユーザビリティが十分とはいえません。購入に必要な情報と操作を分かりやすくすることが重要です。

ECユーザビリティとUI・UX・アクセシビリティの違い

用語 意味 ECサイトでの例
UI 画面上の表示・操作部分 ボタン、検索窓、メニュー
UX 利用前後を含む体験全体 商品選び、購入、配送、サポート
ユーザビリティ 目的を達成する使いやすさ 商品を探して購入完了できるか
アクセシビリティ 多様な利用者が利用できる状態 キーボード操作、代替テキスト、ラベル

これらは別々の考え方ですが、実際のEC改善では重なります。

たとえば購入ボタンのUIを改善し、スマートフォンでも操作しやすくし、キーボードでも選択できるようにすることで、ユーザビリティとアクセシビリティの両方を改善できます。

ECユーザビリティが重要な理由

集客したユーザーを購入へつなげるため

SEO、SNS、広告でアクセスを集めても、訪問後に目的の商品を見つけられなければ購入にはつながりません。

集客施策と同時に、商品ページから注文完了まで進める状態を整えることが重要です。

購入前の不安を減らすため

ECでは商品を直接手に取れないため、ユーザーは購入前にさまざまな情報を確認します。

  • 自分の用途に合うか
  • サイズは合うか
  • 色や素材はイメージどおりか
  • 送料はいくらか
  • いつ届くか
  • 返品・交換できるか
  • 信頼できるショップか

このような疑問へ購入前に答えることで、判断しやすい商品ページになります。

問い合わせや返品の原因を減らすため

送料、サイズ、素材、配送予定、返品条件などが分かりにくいと、問い合わせや購入後のミスマッチにつながります。

問い合わせ内容や返品理由は、ユーザビリティの問題を発見する重要なデータです。

リピート購入につなげるため

使いやすさは初回購入だけの問題ではありません。

購入履歴、再注文、配送追跡、問い合わせ、返品方法まで分かりやすければ、購入後も利用しやすくなります。

ECユーザビリティを4段階で考える

段階 ユーザーの行動 主な改善箇所
商品発見 目的の商品を探す メニュー・カテゴリ・検索
比較検討 商品の違いを確認する 写真・説明・価格・送料・レビュー
購入 カート・入力・決済を行う カート・フォーム・決済
購入後 配送・返品等を確認する メール・追跡・返品・問い合わせ

サイト全体を漠然と評価するのではなく、この4段階のどこで問題が起きているかを確認します。

1.商品を探しやすくする

ショップで何を販売しているか明確にする

初めて訪問したユーザーが、どのようなショップなのか短時間で判断できるようにします。

トップページでは、次の内容を優先します。

  • 主な商品カテゴリ
  • 誰に向いた商品か
  • 主な特徴
  • 商品一覧への導線
  • サイト内検索
  • 重要なお知らせ
抽象的なキャッチコピーだけにしない

「毎日をもっと豊かに」のような表現だけでは商品を判断できません。「通勤用の軽量バッグとPC収納用品を販売する専門ショップ」のように、商品や利用場面が分かる情報も伝えます。

メニューとカテゴリ名を分かりやすくする

運営者だけが理解できる独自名称ではなく、ユーザーがリンク先を予測できる名前を使います。

  • 商品一覧
  • バッグ
  • アクセサリー
  • 新着商品
  • 送料・配送
  • よくある質問

メインメニューへすべてのページを並べる必要はありません。商品発見に重要な項目を優先し、運営者情報や規約等はフッターへ整理する方法があります。

サイト内検索を使いやすくする

商品数が多いショップでは、検索を見つけやすい場所へ配置します。

特に確認したいのは次の項目です。

  • 商品名で検索できる
  • カテゴリやブランドでも検索できる
  • 略称・表記ゆれへ対応している
  • 検索候補を表示できる
  • 誤字の修正候補を提示できる
  • 0件の場合に次の導線がある

表記ゆれと同義語へ対応する

ユーザーは運営者が設定した正式名称で検索するとは限りません。

表記1 別の検索例
リュック バックパック
ネイビー
詰め替え つめかえ・リフィル
PCケース パソコンケース

同義語対応機能がある場合は検索機能側で設定し、SEO目的で商品説明へ不自然にキーワードを詰め込むことは避けます。

検索結果0件でも行き止まりにしない

「商品がありません」だけで終わらせず、次の行動を提示します。

  • 検索語の修正候補
  • 関連カテゴリ
  • 類似商品
  • 人気商品
  • 再入荷案内
  • 問い合わせ

絞り込みは商品選びに必要な条件へ絞る

商品数が多い場合は、価格、サイズ、色、素材、用途、在庫などで絞り込めるようにします。

ただし、条件を増やしすぎると選択自体が負担になります。実際に商品を選ぶために使われる項目を優先します。

2.比較・検討しやすい商品ページにする

購入判断に必要な情報を先に出す

商品ページでは、運営者が伝えたい情報より、ユーザーが購入判断に必要な情報を優先します。

  • 商品名
  • 価格
  • 商品写真
  • サイズ・寸法
  • 素材・仕様
  • 在庫
  • 送料
  • 発送予定
  • 返品・交換条件
  • 購入ボタン

写真は購入前の疑問に合わせる

同じ角度の商品写真を増やすのではなく、判断材料になる写真を用意します。

  • 正面
  • 背面
  • 側面
  • 内部
  • 細部
  • サイズ比較
  • 使用場面
  • 収納例

サイズ・仕様を具体的にする

「大きめ」「軽量」「コンパクト」といった表現だけではなく、実寸や重量を確認できるようにします。

サイズ選びが重要な商品では、測り方やモデル着用情報なども役立ちます。

送料と発送予定を早く確認できるようにする

送料や到着時期は購入判断に影響するため、購入手続きの最後まで分からない状態を避けます。

  • 基本送料
  • 送料無料条件
  • 地域別追加料金
  • 発送までの日数
  • 到着目安
  • 日時指定
  • 予約商品の発送時期

返品・交換条件を購入前に確認できるようにする

商品ページにすべての規約を書く必要はありません。

主な条件を簡潔に示し、詳細ページへすぐ移動できるようにします。

  • 返品可能期間
  • 返品できる状態
  • 返送料の負担
  • サイズ交換
  • 不良品への対応
  • 返品対象外の商品

レビューは具体的な判断材料にする

星の平均だけでなく、利用場面、サイズ感、良かった点、注意点などを確認できると商品選びに役立ちます。

都合のよい情報だけを見せない

レビューや販売実績を誇張したり、根拠のない残り在庫表示で購入を急がせたりすると、ショップへの信頼を損なう可能性があります。実際の情報を正確に表示します。

FAQは商品固有の疑問を優先する

問い合わせやレビューから、購入前に繰り返し質問される内容を商品ページへ追加します。

  • サイズ
  • 素材
  • 使い方
  • お手入れ
  • 対応機器
  • 配送
  • 返品
  • ギフト対応

3.カートと購入手続きを簡単にする

カートへ追加できたことを明確にする

購入ボタンを押した後に反応がないと、ユーザーが何度も押してしまう可能性があります。

追加完了、処理中、エラーなど、現在の状態を分かりやすく表示します。

カートで内容を変更できるようにする

  • 商品名
  • 画像
  • 色・サイズ等のバリエーション
  • 数量
  • 商品価格
  • 送料
  • 合計金額
  • 削除
  • 商品ページへ戻るリンク

支払総額を早く確認できるようにする

商品価格だけではなく、送料や追加料金を含む総額を可能な範囲で早く提示します。

クーポンを適用した場合も、金額が正しく更新されたことを確認できるようにします。

会員登録を購入の障害にしない

ショップの仕組み上可能であれば、ゲスト購入も検討します。

会員登録にメリットがある場合は、購入完了後に案内する方法もあります。

入力フォームを必要最小限にする

事業上必要のない項目まで入力させないようにします。

  • 氏名
  • 住所
  • メールアドレス
  • 必要な場合の電話番号
  • 配送方法
  • 支払い方法

ブラウザや端末の自動入力を妨げない設計も確認します。

エラーの場所と直し方を伝える

「入力内容に誤りがあります」だけでは不十分

どの入力欄に問題があり、どう修正すればよいのかを入力欄の近くで具体的に案内します。入力済みの正しい項目まで消えないことも確認してください。

注文確定前に重要情報を確認する

  • 商品
  • 数量
  • 金額
  • 送料
  • 支払総額
  • 配送先
  • 支払い方法
  • 配送予定

4.購入後も迷わせない

注文完了画面を分かりやすくする

決済後に「注文できたのか分からない」という状態を避けます。

  • 注文を受け付けたこと
  • 注文番号
  • 注文内容
  • 支払状況
  • 発送予定
  • 確認メールについて
  • 問い合わせ先

注文確認メールに必要情報を入れる

  • 注文番号
  • 商品・数量
  • 商品価格
  • 送料
  • 合計金額
  • 配送先
  • 支払い方法
  • 発送予定
  • 問い合わせ先

発送後は追跡へ直接移動できるようにする

追跡番号を表示するだけでなく、配送会社の追跡ページへ移動できるリンクを案内すると確認しやすくなります。

返品・交換方法を隠さない

返品を減らす目的で手続きを見つけにくくするのではなく、商品ページの情報を改善して購入前のミスマッチを減らします。

再注文を簡単にする

繰り返し購入される商品では、次の機能を検討します。

  • 購入履歴
  • 再注文
  • お気に入り
  • 定期購入
  • 再入荷通知

スマートフォンのECユーザビリティを確認する

スマートフォンでは画面が小さく、指で操作するため、パソコンでは発見できない問題が起こります。

実際のスマートフォンで購入してみる

WordPressのプレビューだけではなく、実機で次のページを確認します。

  • トップページ
  • カテゴリページ
  • 検索結果
  • 商品ページ
  • カート
  • 購入フォーム
  • 注文完了ページ
  • FAQ
  • 問い合わせ

可能であればWi-Fiだけでなくモバイル回線でも確認します。

横スクロールが発生しないか確認する

表、画像、フォーム、広告、埋め込み動画などが画面幅を超えていないか確認します。

文字を読みやすくする

特に価格、送料、返品条件、エラーメッセージなどの重要情報を小さな文字にしないようにします。

タップ領域を確保する

WCAG 2.2のTarget Size(Minimum)では、例外を除き、ポインター操作の対象について少なくとも24×24 CSSピクセルのサイズ、または所定の間隔を確保する基準が示されています。

W3C「Understanding Target Size (Minimum)」

ECサイトでは最低基準だけを見るのではなく、購入ボタン、数量変更、サイズ選択、閉じるボタンなどを指で操作しやすい大きさと間隔にします。

固定CTAが内容を隠さないか確認する

画面下部に購入ボタンを固定すると便利な場合がありますが、次の内容を隠していないか確認してください。

  • 商品説明
  • FAQ
  • Cookie案内
  • 問い合わせボタン
  • フォーム
  • キーボード表示中の入力欄

表示速度とCore Web Vitalsを確認する

ページ表示が遅い、タップしても反応しない、読み込み中にボタンが移動するといった問題は、ECサイトの操作性を下げます。

Googleが案内しているCore Web Vitalsでは、現在LCP・INP・CLSの3指標を確認します。

指標 確認する体験 良好の目安
LCP 主要コンテンツが表示される速さ 2.5秒以内
INP クリック・タップへの反応 200ミリ秒以内
CLS 表示中のレイアウト移動 0.1以下

これらの目安は、モバイル・パソコンそれぞれで、実際のユーザーデータの75パーセンタイルを基準に評価されます。

web.dev「Web Vitals」

Core Web Vitalsだけで使いやすさを判断しない

数値が良好でも、送料が見つからない、検索結果が不適切、フォームが分かりにくいといった問題は残ります。表示性能と実際の購入操作を両方確認してください。

ECサイトで重くなりやすいもの

  • 大きすぎる商品画像
  • 自動再生動画
  • 多数のWebフォント
  • 広告
  • チャット
  • アクセス解析タグ
  • 外部レビューウィジェット
  • 不要なWordPressプラグイン

必要な機能まで削るのではなく、購入への影響と表示負荷を比較して整理します。

ECサイトのアクセシビリティを確認する

アクセシビリティは、障害の有無、年齢、利用端末、操作方法などにかかわらず、できるだけ多くの人がサイトを利用できるようにする考え方です。

W3CはWebアクセシビリティの国際的なガイドラインとしてWCAG 2.2を公開しています。

W3C「Web Content Accessibility Guidelines (WCAG) 2.2」

画像に適切なalt属性を付ける

商品画像のalt属性は、画像が伝える重要な内容を簡潔に表します。

alt属性の例

「黒い通勤バッグの正面」「バッグ内部の13インチPC収納ポケット」のように、画像の役割に合わせて設定します。

装飾目的の画像へSEOキーワードを詰め込む必要はありません。

色だけで状態を伝えない

在庫切れやエラーを赤色だけで表現せず、「在庫切れ」「入力必須」などの文字も表示します。

商品カラーの選択肢も、色見本だけではなく色名を併記します。

キーボードでも操作できるか確認する

Tabキー等で次の項目へ移動できるか確認します。

  • メニュー
  • 検索
  • 商品選択
  • カート
  • フォーム
  • ポップアップ
  • 決済

フォーカス表示を消さない

キーボード操作中に現在選択しているリンクやボタンが分かるようにします。

デザイン上の理由だけでフォーカス枠を消さないようにしてください。

フォームにはラベルを付ける

入力欄には、氏名、メールアドレス、郵便番号など、何を入力する場所なのかを示すラベルを設定します。

入力開始後に消えてしまうプレースホルダーだけへ依存しないようにします。

安心して購入できる情報を整える

初めて訪問したユーザーは、商品だけでなくショップ自体を信用できるか判断しています。

  • 運営者情報
  • 問い合わせ方法
  • 特定商取引法に基づく表記
  • プライバシーポリシー
  • 利用規約
  • 送料・配送
  • 返品・交換
  • 支払い方法
  • 保証
  • 購入後の流れ

問い合わせ先を見つけやすくする

FAQやチャットで解決できない場合に、問い合わせフォーム等へ移動できる状態にします。

在庫・販売実績を正確に表示する

「残りわずか」などの表示を利用する場合は、実際の在庫状況と一致させます。

確認できない販売数やレビュー数を表示して購入を促すことは避けます。

マイクロUXで操作中の迷いを減らす

マイクロUXとは、ボタンを押した後の反応や小さな案内など、一つひとつの操作を分かりやすくする設計です。

  • カート追加完了を表示する
  • 処理中であることを表示する
  • お気に入り登録完了を伝える
  • 入力エラーをその場で伝える
  • 送料無料までの金額を表示する
  • 配送予定日を表示する
  • クーポン適用後の金額を更新する
  • 在庫切れ時に代替商品を案内する
通知を増やしすぎない

ポップアップ、チャット、クーポン、通知などを同時に表示すると、購入操作の邪魔になります。次の行動に必要な情報を優先してください。

ECユーザビリティで見るKPI

ユーザビリティ改善は、運営者の感覚だけでは判断しません。

段階 確認する数字
商品発見 サイト内検索利用・0件検索・カテゴリ閲覧
商品検討 商品ページ閲覧・カート投入率・問い合わせ
カート カート到達・カート離脱・数量変更
購入手続き フォーム開始・エラー・決済完了
購入後 問い合わせ・返品・再注文
表示性能 LCP・INP・CLS

売上だけを比較しない

短期間では注文数が変わらなくても、検索0件、フォームエラー、問い合わせなどが改善している場合があります。

変更した場所に近い指標を合わせて確認します。

顧客の声も一緒に確認する

  • 問い合わせ
  • レビュー
  • 返品理由
  • アンケート
  • サイト内検索
  • サポート履歴

ECユーザビリティを改善する7つの手順

1.影響の大きいページを1〜3ページ選ぶ

最初からサイト全体をリニューアルしません。

次のようなページを優先します。

  • アクセスが多い商品ページ
  • 売れ筋商品
  • カート投入が少ない商品
  • 問い合わせが多い商品
  • 返品が多い商品
  • 購入手続きで離脱が多いページ

2.スマートフォンで購入完了まで操作する

選んだ商品を、顧客と同じように最初から購入します。

  1. 商品を探す
  2. 商品ページを見る
  3. バリエーションを選ぶ
  4. カートへ入れる
  5. 数量を変更する
  6. 送料を確認する
  7. 住所を入力する
  8. 決済方法を選ぶ
  9. 注文を完了する
  10. 確認メールを読む

迷った場所、待たされた場所、不安を感じた情報を記録します。

3.数字から離脱地点を確認する

アクセス解析やECシステムで、どこまで進んでいるか確認します。

  • 商品閲覧
  • カート投入
  • カート到達
  • 購入手続き開始
  • 注文完了
  • サイト内検索
  • フォームエラー

4.問い合わせ・検索・返品理由を確認する

数字だけでは「なぜ離脱したか」が分からないことがあります。

問い合わせ、サイト内検索、レビュー、返品理由などから原因の仮説を作ります。

5.影響が大きく直しやすい問題から改善する

問題 改善例
送料が分からない 商品ページへ送料・送料無料条件を追加
サイズが分からない 実寸・比較写真を追加
検索0件が多い 同義語・表記ゆれを登録
購入ボタンを見つけにくい 位置・文言・周辺情報を整理
入力エラーが多い エラー文と入力項目を改善
優先順位は「影響×問題の大きさ×修正しやすさ」で考える

アクセスが多く購入に近いページで発生しており、比較的簡単に直せる問題から改善すると実行しやすくなります。

6.一度に大きく変更しすぎない

一度にナビゲーション、商品ページ、カート、価格表示をすべて変えると、どの変更が結果へ影響したか分かりにくくなります。

可能な範囲で改善項目を分け、変更内容と日付を記録します。

7.改善前後を同じ指標で比較する

変更後は、改善前と同じ指標を確認します。

  • カート投入率
  • 購入完了率
  • サイト内検索0件
  • フォームエラー
  • 問い合わせ
  • 返品

改善しなかった場合も失敗で終わりではありません。原因の仮説が違っていた可能性を確認し、次の改善へつなげます。

30日で進めるECユーザビリティ改善例

1 1週目:問題ページを特定する

アクセス、商品閲覧、カート投入、購入、検索、問い合わせ、返品を確認し、改善する1〜3ページを選びます。

2 2週目:商品発見と商品ページを改善する

メニュー、カテゴリ、検索0件、商品写真、サイズ、送料、配送予定、FAQを確認します。

3 3週目:カートと購入手続きを改善する

カート追加、数量変更、送料、フォーム、エラー、決済方法、注文確定までを確認します。

4 4週目:スマホ・速度・購入後を確認する

実機操作、Core Web Vitals、注文完了、確認メール、配送追跡、問い合わせ、返品方法を確認し、改善前後の数字を比較します。

ECユーザビリティ改善でよくある失敗

見た目だけを変更する

色やレイアウトを変えるだけでなく、商品検索から購入完了までの問題を確認します。

運営者だけで使いやすさを判断する

運営者はサイト構造や商品を知っているため、初めて訪問するユーザーと同じ条件ではありません。検索データ、問い合わせ、実機テストなどを使います。

トップページだけを改善する

検索エンジンや広告から商品ページへ直接訪問するユーザーもいるため、商品ページ単体でも購入判断できる状態にします。

機能を追加しすぎる

ポップアップ、チャット、クーポン、ランキングなどを追加するほど使いやすくなるとは限りません。購入に必要な機能を優先します。

パソコンだけで確認する

スマートフォンでは画面幅、固定CTA、キーボード表示、タップ領域など別の問題が起こるため実機で確認します。

表示速度だけを改善する

ページが速くても、商品が探せない、送料が分からない、フォームが難しい状態では購入しやすくなりません。

一度のリニューアルで終わらせる

商品、顧客、端末、利用サービスが変われば問題も変わります。数字と顧客の声から継続的に確認します。

ECユーザビリティ改善チェックリスト

商品を探す

  • 何を販売しているショップか分かる
  • メニュー名を理解できる
  • カテゴリが整理されている
  • サイト内検索を見つけられる
  • 表記ゆれへ対応している
  • 検索0件でも次の導線がある
  • 必要な条件で絞り込める

商品を比較する

  • 商品写真が十分にある
  • サイズ・寸法が分かる
  • 素材・仕様が分かる
  • 価格が分かる
  • 送料が分かる
  • 発送予定が分かる
  • 返品条件を確認できる
  • 商品固有のFAQがある

購入する

  • 購入ボタンを見つけられる
  • カート追加を確認できる
  • 数量・商品を変更できる
  • 支払総額を確認できる
  • フォーム項目が必要最小限
  • エラーの場所と直し方が分かる
  • 注文確定前に内容を確認できる

購入後

  • 注文完了を確認できる
  • 注文確認メールが届く
  • 発送予定が分かる
  • 追跡リンクがある
  • 返品方法が分かる
  • 問い合わせ先が分かる
  • 再注文しやすい

スマートフォン・速度・アクセシビリティ

  • スマートフォンで横スクロールしない
  • 文字を読みやすい
  • ボタンを押しやすい
  • 固定要素が内容を隠さない
  • LCP・INP・CLSを確認した
  • 商品画像へ適切なalt属性を付けている
  • 色だけで状態を伝えていない
  • キーボードでも操作できる
  • フォーカス位置が見える
  • フォームにラベルがある

ECユーザビリティに関するFAQ

ECユーザビリティとは何ですか?

ECサイトでユーザーが目的の商品を探し、比較し、購入し、購入後の情報まで迷わず確認できる使いやすさです。見た目だけでなく、商品検索、商品情報、カート、フォーム、配送案内など一連の購入体験を対象にします。

ECユーザビリティとデザインは何が違いますか?

デザインは見た目や情報配置などを含む広い概念です。ユーザビリティでは、実際にユーザーが商品を探して購入目的を達成できるかを重視します。見た目がきれいでも操作が難しければ、使いやすいECサイトとはいえません。

ECユーザビリティを改善するとSEO順位も上がりますか?

必ず順位が上がるわけではありません。Core Web Vitalsやモバイル表示、サイト構造など検索と関連する要素はありますが、検索意図に合うコンテンツ、商品情報、内部リンクなども重要です。

最初にどのページを改善すればよいですか?

アクセスや売上への影響が大きいページを優先します。アクセスが多い商品、売れ筋商品、カート投入率が低い商品、問い合わせや返品が多い商品などから1〜3ページ選ぶと改善を進めやすくなります。

購入ボタンは画面下に固定した方がよいですか?

長い商品ページでは便利な場合があります。ただし、本文やフォームを隠す、誤タップが増える、バリエーションを選ぶ前に購入操作へ進めてしまうなどの問題がないかスマートフォン実機で確認してください。

商品ページは短い方が購入されやすいですか?

一律に短くする必要はありません。商品の価格や複雑さによって必要な情報量は異なります。重要なのは、購入判断に必要な情報を見出し、表、写真、FAQなどで探しやすく整理することです。

Core Web Vitalsが良ければECユーザビリティも良いですか?

Core Web Vitalsは表示速度、操作への反応、レイアウトの安定性を確認する重要な指標ですが、ユーザビリティ全体を表すものではありません。商品検索、送料、商品説明、カート、フォームなども別途確認してください。

ユーザビリティ改善では何を測定すればよいですか?

購入率だけでなく、サイト内検索0件、商品ページ閲覧、カート投入、カート離脱、フォームエラー、注文完了、問い合わせ、返品などを確認します。改善した場所に近い指標を比較してください。

まとめ

ECユーザビリティを改善する7つの手順
  1. 影響の大きいページを1〜3ページ選ぶ
  2. スマートフォンで購入完了まで操作する
  3. 数字から離脱地点を確認する
  4. 問い合わせ・検索・返品理由を確認する
  5. 影響が大きく直しやすい問題から改善する
  6. 一度に大きく変更しすぎない
  7. 改善前後を同じ指標で比較する

ECユーザビリティで重要なのは、デザインをきれいにすることではなく、ユーザーが目的の商品を見つけ、必要な情報を確認し、迷わず購入できる状態にすることです。

まず「商品を探す」「比較する」「購入する」「購入後に確認する」の4段階に分けて問題を探します。

特に、商品検索、価格、サイズ、送料、発送予定、返品条件、カート、入力フォームは購入へ直接関係するため優先して確認してください。

同時に、スマートフォンでの操作、Core Web Vitals、アクセシビリティも確認します。

改善は運営者の感覚だけで判断せず、サイト内検索、カート投入、購入完了、フォームエラー、問い合わせ、返品などのデータを使います。

最初からサイト全体を作り直さず、売上やアクセスへの影響が大きい1〜3ページを選び、小さく改善して結果を比較する方法が現実的です。

まず売れ筋商品を1つスマートフォンで購入してみる

商品を探すところから注文完了メールを確認するところまで、自分のスマートフォンで操作してください。迷った場所、分からなかった情報、待たされた操作を記録し、購入への影響が大きい問題から1つずつ改善します。

商品ページの改善方法を確認する

コメントする